抄録
〔目的〕回復期リハビリテーション(リハ)病棟入院時の年齢が臨床経過に及ぼす影響について検討した.対象は,初回発症の脳卒中重度片麻痺患者46名とした.〔対象と方法〕対象者を入院時の年齢で非高齢者群(28名)と高齢者群(18名)の2群に分類し,患者背景,入・退院時の認知機能,神経症候,運動機能(非麻痺側下肢筋力・体幹機能),歩行能力,日常生活活動(ADL),転帰先を比較検討した.〔結果〕患者背景,入院時の認知機能,神経症候,運動機能,歩行能力,ADLは2群間で差がなかった.その一方,退院時の体幹機能,歩行能力,ADL能力は非高齢者群が高齢者群に比べて高かった.〔結語〕回復期リハ病棟入院時に神経症候,運動機能が同様でも,年齢によって体幹機能,歩行能力,ADL能力の改善度が異なることが示唆された.