抄録
〔目的〕高齢者を前期高齢者群,後期高齢者群に分け,さらに「つまずき」が原因で転倒した転倒群,非転倒群に分け運動機能と転倒との関係を検討すること.〔対象〕自立歩行が可能な65歳以上の高齢者30名とした.〔方法〕前期および後期高齢者群と転倒群・非転倒群に分類し,運動機能について2元配置分散分析を行った. 〔結果〕最大ステッピング幅は転倒群,非転倒群間および前期および後期高齢者間で差を認めた.足の底背屈,つま先立ちは,転倒群,非転倒群間で差を認めたが,前期および後期高齢者間では差を認めなかった.〔結語〕「つまずき」が原因で転倒する高齢者の転倒予測の評価として,底背屈テストは,年齢による影響が少ない評価指標であると考えられた.