抄録
〔目的〕呼気抵抗負荷による呼吸補助筋の筋疲労特性を明らかにし,呼気抵抗時の呼吸補助筋への影響を検証することとした.〔対象〕健常成人男性11名とした.〔方法〕呼気負荷中と休息期の最大口腔内圧(PEmax,PImax)を測定し,僧帽筋,胸鎖乳突筋,大胸筋,腹直筋,内・外腹斜筋の状態を筋電図周波数解析を用いて検証した.〔結果〕呼吸補助筋の高周波数(H)と低周波数(L)の比(H/L ratio)は,全筋で8分間に20%以上低下した.また,PEmaxについては腹直筋よりも外腹斜筋で,PImaxについては外腹斜筋よりも胸鎖乳突筋で最小値までの所要時間が有意に長かった.〔結語〕呼吸補助筋は筋疲労開始までの所要時間に差が認められず,呼気で外腹斜筋が,吸気で胸鎖乳突筋が疲労し難いといえる.