理学療法科学
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Print ISSN : 1341-1667
原 著
チェンソーによる手腕振動が即時的な立位バランス能力に及ぼす影響
大島 祥央浦辺 幸夫前田 慶明河原 大陸
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2016 年 31 巻 2 号 p. 199-202

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抄録

〔目的〕林業従事者の転倒災害防止の一助とするためにチェンソーの駆動が立位バランス能力におよぼす影響を検討することとした.〔対象〕健常成人男性12名とした.〔方法〕安静時とチェンソー把持直後,5分後,10分後の静的・動的立位バランス能力(足圧中心の単位軌跡長,外周面積,重心前方移動距離)を平衡機能計で測定した.チェンソーの把持はエンジンを駆動しない非駆動条件と,エンジンを駆動する駆動条件に分けた.〔結果〕足圧中心の単位軌跡長と外周面積は,チェンソー把持前後で両条件とも有意な変化はなかった.重心前方移動距離は,駆動条件のみ安静時と比較してチェンソー把持直後,5分後でそれぞれ有意に低下した.〔結語〕本研究は,チェンソーを駆動させることで,即時的に立位バランス能力が低下する可能性が示唆された.

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© 2016 by the Society of Physical Therapy Science
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