理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
31 巻 , 2 号
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原 著
  • 西野 琢也, 山出 宏一, 吉岡 正和, 我嶋 晋太郎, 川久保 淳司, 髙橋 精一郎, 森田 正治
    2016 年 31 巻 2 号 p. 183-188
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕スタティックストレッチング(SS)と圧迫刺激による腓腹筋形状および足関節背屈可動域への影響を検討した.〔対象〕健常成人60名とした.〔方法〕刺激はSS群,圧迫群,併用群の三群とした.超音波診断装置とデジタルカメラ,筋弾性計を用いて計測された足関節背屈可動域,筋束長,筋腱移行部(Muscle Tendon Junction;以下,MTJ)の移動量,スティフネス,筋弾性を計測し三群間で比較した.〔結果〕足関節背屈可動域,筋束長,筋弾性は三群の平均に有意な差はないが,MTJの移動量はSS群より併用群で高い値を,スティフネスは併用群のみ刺激後に低い値を示した.〔結語〕SSと圧迫刺激の併用は,神経生理学的,力学的な要素の相乗効果により効率的に筋伸張性や柔軟性の向上を計ることができる.
  • 中越 竜馬, 武政 誠一, 中山 宏之, 森 勇介
    2016 年 31 巻 2 号 p. 189-193
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕整形外科に通院している地域在住高齢者の疼痛の程度と生活活動量および健康関連QOLとの関連性を明らかにすることを目的とした.〔対象〕整形外科に通院する地域在住高齢者30名とした.〔方法〕質問紙により疼痛の有無と部位,疼痛の程度(NBS),生活活動量(LSA),手段的ADL(FAI),転倒恐怖感(FES),抑うつ度(GDS),健康関連QOL(SF-36)の聞き取り調査を実施した.〔結果〕NBSとSF-36との関係では,疼痛が強いほど健康関連QOLが低くなることが判明した.〔結語〕疼痛を有する高齢者の健康関連QOLの向上を目指すためには,疼痛の軽減を図ることはもちろんのこと,運動機能や日常生活機能へのプログラムのみならず,精神面へのアプローチの必要性が示唆された.
  • 加古川 直己, 渕上 健, 越本 浩章
    2016 年 31 巻 2 号 p. 195-198
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕介護老人保健施設における各転倒発生場所での危険因子を検討した.〔対象〕施設入所中に転倒を経験した115名とした.〔方法〕事故報告書を後ろ向きに調査した.転倒場所である居室,廊下,トイレ,リハビリ室,浴室をそれぞれ目的変数とし,各説明変数をADLでの見守りおよび介助の要否,車椅子の使用・不使用,服薬の有無,理解力の有無,視力低下の有無,疼痛の有無としたロジスティック回帰分析を実施した.〔結果〕全転倒数は220回で,居室135回,廊下25回,トイレ26回,リハビリ室3回,浴室2回であった.居室では車椅子使用者と疼痛,廊下では車椅子不使用者が危険因子として抽出された.〔結語〕居室と廊下で抽出された危険因子を考慮し,介入を行う必要がある.
  • 大島 祥央, 浦辺 幸夫, 前田 慶明, 河原 大陸
    2016 年 31 巻 2 号 p. 199-202
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕林業従事者の転倒災害防止の一助とするためにチェンソーの駆動が立位バランス能力におよぼす影響を検討することとした.〔対象〕健常成人男性12名とした.〔方法〕安静時とチェンソー把持直後,5分後,10分後の静的・動的立位バランス能力(足圧中心の単位軌跡長,外周面積,重心前方移動距離)を平衡機能計で測定した.チェンソーの把持はエンジンを駆動しない非駆動条件と,エンジンを駆動する駆動条件に分けた.〔結果〕足圧中心の単位軌跡長と外周面積は,チェンソー把持前後で両条件とも有意な変化はなかった.重心前方移動距離は,駆動条件のみ安静時と比較してチェンソー把持直後,5分後でそれぞれ有意に低下した.〔結語〕本研究は,チェンソーを駆動させることで,即時的に立位バランス能力が低下する可能性が示唆された.
  • 角田 友紀, 蛭間 基夫
    2016 年 31 巻 2 号 p. 203-208
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕住宅改善での理学療法士(PT)の自宅訪問が不十分と指摘がある.そこで,本報告では自宅訪問を規定する要因を明らかにした.〔対象〕PT協会から無作為抽出した全国のPTの中の介入経験者1,163人とした.〔方法〕質問紙による調査を2010年8月から2ヵ月行った(回答率40.3%).介入者の訪問状況から必ず行う必須群(47.5%),事例により行う事例群(47.6%),訪問経験がない非訪問群(3.7%)の三群に分類し勤務機関の実態や介入する具体的支援についてクロス集計により比較した.〔結果〕必須群では勤務機関は訪看や老健が多く,日常業務の主対象は在宅生活者や維持期患者が多かった.〔結語〕自宅訪問が可能なPTとの連携を確保する重要性が示唆された.
  • 鈴木 雄太, 浦辺 幸夫, 前田 慶明, 笹代 純平, 森田 美穂
    2016 年 31 巻 2 号 p. 209-212
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕競泳選手と非競泳選手の上肢挙上時の脊柱アライメントの変化の違いを探るため,立位とストリームライン(以下,SL)での脊柱アライメントを比較した.〔対象〕競泳群26名,非競泳群20名とした.〔方法〕Spinal Mouse®を用いて立位とSL立位の胸椎,腰椎および骨盤のアライメントの変化量,SL立位での上肢挙上角度を測定した.〔結果〕競泳群では上肢挙上角度が大きな対象ほど,胸椎の後弯,腰椎の前弯,骨盤の前傾が小さかった.非競泳群では,いずれの変化量も上肢挙上角度と有意な相関は認められなかった.〔結語〕上肢挙上角度が大きい競泳選手は胸椎の伸展運動によって腰椎前弯と骨盤前傾を小さくすることが可能であることが示された.
  • 千鳥 司浩, 山本 裕二
    2016 年 31 巻 2 号 p. 213-219
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕歩行速度を変化させ,高齢者のストライド変動性に及ぼす要因を明らかにする.〔対象〕健常若年者12名および地域在住高齢者10名を対象とした.〔方法〕3つの速度条件で歩行し,ストライド,ステップ,単脚支持期,両脚支持期の時間を抽出し変動係数およびストライドにおける各期の割合を算出し,ストライド,ステップの変動係数(CV)を従属変数とした重回帰分析を行った.高齢者ではどの歩行速度でも若年者に比べ時間変動が大きく,速い条件では歩行方略の違いにより両脚支持期割合が短縮していた.歩行速度に関わらず単脚支持時間CVが歩行周期時間変動に影響を及ぼしていた.〔結語〕ストライドCVには単脚支持時間CVの寄与が大きいことが示唆された.
  • 梅野 和也, 中村 浩一
    2016 年 31 巻 2 号 p. 221-225
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕JMIQ-Rで測定された運動イメージ想起能力がダーツ課題のパフォーマンスの変化に及ぼす影響を検討することとした.〔対象〕ダーツ経験のない健常学生28名(平均年齢21.2歳)とした.〔方法〕ダーツ課題での練習前試行と保持試行とのダーツ20投の合計距離の変化量とJMIQ-Rで測定された各項目(総合,体験イメージ,観察イメージ,身体各部位ごとの運動イメージ)の評価得点との関連性を検討した.〔結果〕保持試行での変化量とJMIQ-Rの総合,観察イメージ,上肢を用いた運動イメージに有意な負の相関関係が認められた.〔結語〕JMIQ-Rで測定される運動イメージ想起能力は,保持試行でのダーツ課題の運動学習効果に影響を及ぼすことが示唆される.
  • 木下 恵美, 浦辺 幸夫, 前田 慶明, 藤井 絵里, 笹代 純平, 岩田 昌, 河原 大陸, 沼野 崇平
    2016 年 31 巻 2 号 p. 227-231
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,片脚着地動作時の前・後足部運動と膝関節外反運動の関係を明らかにすることである.〔対象〕対象は健常成人女性13名とした.〔方法〕課題動作は高さ30 cm台からの非利き脚での片脚着地動作とし,台より30cm前方に着地させ,片脚立位を保持させた.課題動作中の膝関節外反角度,前足部回内角度,後足部外反角度,アーチ高を算出し,膝関節外反角度と各足部角度,アーチ高との相関関係を調べた.〔結果〕片脚着地動作時の前足部回内運動と膝関節外反運動に有意な相関関係は認められなかった.一方,後足部外反運動と膝関節外反運動には有意な正の相関が認められた.〔結語〕片脚着地動作での膝関節外反運動を予防するためには,後足部外反運動を少なくすることが重要であることが示唆された.
  • 反町 拓, 丸山 仁司
    2016 年 31 巻 2 号 p. 233-238
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕養成専門学校において,予習映像と講義を組み合わせた学習方略の導入にあたり,学生の予習行動および個人因子を把握,分析することにより,今後の課題を明らかにすることとした.〔対象〕某専門学校1学年の学生40名とした.〔方法〕社会福祉学の講義において,予習講義映像を講義開始前に配信し,予習行動を観察した.次に,これと「主要5因子性格検査」との関連を分析した.〔結果〕判別分析の結果,学習者の予習頻度において「外向性」,「勤勉性」,「情緒安定性」が選択された.また予習完了時期においては「勤勉性」,「知性」が選択された.〔結語〕学習者の「外向性」,「勤勉性」,「情緒安定性」が予習行動の頻度,また学習者の「勤勉性」,「知性」が予習完了時期の予測モデルになることが示唆される.
  • 藤本 静香, 藤本 修平, 太田 隆, 金丸 晶子
    2016 年 31 巻 2 号 p. 239-245
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕変形性膝関節症(膝OA)患者の基本動作能力と日常生活活動(ADL)の関連性を検討した.〔対象〕保存療法中の膝OA女性30名とした.〔方法〕基本動作6項目:片脚立位,立ち上がり,歩行,段差昇降,膝立ち,身体をかがめる,とADL7項目:重い物を運ぶ,掃除,炊事,外出(公共交通機関の利用,買い物,友達の家を訪ねる),物を拾う,靴下着脱,トイレ動作,を評価し,正準相関分析を用いてこれらの間の関係を検討した.〔結果〕第1正準変量ではすべてのADLに立ち上がり,歩行,段差昇降の動作が影響していた.第2正準変量ではADLの友達の家を訪ねることに,立ち上がりと歩行が正,段差昇降が負の関係をもっていた.〔結語〕膝OA女性では,立ち上がり,歩行,段差昇降がADLに強く影響する.
  • 小沼 佳代, 島崎 崇史, 高山 侑子, 竹中 晃二
    2016 年 31 巻 2 号 p. 247-251
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕在宅脳卒中者の活動性が生活の質に影響を与えるプロセスを明らかにする.〔対象〕在宅で生活する脳卒中者25名.〔方法〕1対1での半構造化面接をおこなった.質問内容は,脳卒中発症からの経過,現在の生活様式,重要な活動およびその理由であった.分析には,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた.〔結果〕在宅脳卒中者の活動性が生活の質に影響を与えるプロセスには,活動の継続により目的が達成され生活の質の向上につながるというプロセス,および活動の継続により障害への適応が促進され生活の質の向上につながるというプロセスがあった.〔結語〕在宅脳卒中者における活動性の向上を図るには,活動の実施状況を把握するだけでなく,障害への適応の段階を評価し,段階に合わせた支援を行う必要がある.
  • 法所 遼汰, 岡山 裕美, 大工谷 新一
    2016 年 31 巻 2 号 p. 253-256
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者の円背姿勢を再現した胸腰部屈曲位における立ち上がり動作での下肢の筋活動と関節角度の特徴を明らかにする.〔対象〕健常成人男性10名とした.〔方法〕胸腰部屈伸中間位,胸腰部20°屈曲位および胸腰部40°屈曲位の条件下で,表面筋電計とビデオカメラを用いて立ち上がり動作を実施し,下肢筋の平均振幅の相対値と活動順序,体幹前傾角度と下腿前傾角度を算出した.〔結果〕胸腰部屈伸中間位と比較し,胸腰部40°屈曲位では前脛骨筋の平均振幅の相対値と体幹前傾角度および下腿前傾角度が有意に増加した.また胸腰部40°屈曲位では,前脛骨筋が他の筋よりも有意に早く活動を開始した.〔結語〕胸腰部屈曲角度の違いは,前脛骨筋の筋活動と下腿前傾角度に影響を与えていると考えられた.
  • 笠原 敏史, 湊 恵里子, 齊藤 展士, 秋山 新
    2016 年 31 巻 2 号 p. 257-260
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕傾斜板を用いて異なる足関節肢位の静的と動的な立位バランスへの影響を調べた.〔対象〕健常若年男性12名(平均20.6歳).〔方法〕足関節を中間位,背屈位,底屈位の3条件とし,安静立位保持と足圧中心を用いた視覚誘導型追跡運動課題を実施した.床反力計と三次元動作解析器を用いて,各条件での足圧中心,体重心,下肢関節角度を調べた.〔結果〕静的立位時,足圧中心と体重心の前後と左右の位置に変化は認められず,体重心は底屈位で最も高位であった.また,静的立位での股関節と膝関節の角度に足関節肢位間の差は認められなかった.他の肢位に比べて,背屈位での追跡運動課題時の誤差が大きく,膝関節運動が足圧中心の運動と逆位相を示した.〔結語〕健常若年での足関節背屈位は動的バランス能力を低下させる.
  • 中村 浩一, 兒玉 隆之, 平野 幸伸, 鈴木 重行, 井元 淳, 梅野 和也, 岡本 伸弘
    2016 年 31 巻 2 号 p. 261-264
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕腓腹筋に対するセルフストレッチングが血行動態に及ぼす影響を生理学的に明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常男子学生40名40肢左脚とした.〔方法〕Active Individual Muscle Stretching (AID)を施行する条件(AID条件)とストレッチングを施行しない条件(control条件)で,超音波を用いて血管径および血流速度から膝窩動脈の血行動態を評価し,条件間およびストレッチング前後で比較検討した.〔結果〕条件間の血管径に有意差はみられないが,血流速度においてAID前に比べAID後は,有意な速度上昇がみられた.〔結語〕腓腹筋に対するセルフストレッチングは,血流速度を上昇させることから,動脈が支配する筋の血流量を一時的に増加させる可能性が示唆される.
  • 吉澤 隆志, 鈴木 智裕
    2016 年 31 巻 2 号 p. 265-268
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕入試形態の違いによる,入学生の学習意欲の関係について調べることとした.〔対象〕某A専門学校理学療法学科学生1年生88名とした.〔方法〕入試形態は,AO入試,高校推薦入試,社会人入試,一般入試の4つに分類した.また,入学後に対象に対し,学習意欲に関するアンケートを実施した.次に,入試形態ごとの入学生の学習意欲の関係について,Kruskal-Wallis検定にて調べた.〔結果〕学習意欲のうち,精神的健康度と対人関係スキルについては,社会人入試での入学生の方が高校推薦入試での入学生よりも有意に高かった.〔結語〕本研究の結果により,入試形態と学習意欲を基にした早期よりの学生指導が可能になると考える.
  • 中村 豪志, 川畑 翔, 川野 裕也, 萩原 純一, 加茂 智彦, 小川 芳徳
    2016 年 31 巻 2 号 p. 269-273
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕縦手すりにもたれて,一側上肢で下衣を上げ下げする動作の効果を検証することとした.〔対象〕健常な男性10名とした.〔方法〕服の上から「短パン」を装着し,これを上げ下げする動作を測定した.手すりなしと手すりにもたれた姿勢で動作を行い,時間,重心総軌跡長,矩形面積,耳垂の上下移動距離の姿勢による相違点を解析した.〔結果〕手すりにもたれた動作では,手すりなしの動作と比較して,重心総軌跡長,矩形面積,耳垂移動距離の平均が有意に低かった.手すりにもたれた動作では,上げる動作における重心総軌跡長と矩形面積,下げる動作における矩形面積と耳垂移動距離で正の相関がみられた.〔結語〕一側上肢で下衣を上げ下げする動作は,縦手すりに寄りかかることでバランスが向上する.
  • 中尾 英俊, 稲葉 考洋, 森藤 武, 内原 由佳子, 渡邉 萌, 金子 元春, 木下 和昭, 橋本 雅至, 大槻 伸吾
    2016 年 31 巻 2 号 p. 275-279
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕腰椎変性疾患患者に対し,体幹伸筋持久力トレーニングを実施しVASと JOABPEQへ及ぼす影響を検討した.〔対象〕腰椎変性疾患患者27名(平均年齢72.2 ± 8.3歳)とした.〔方法〕体幹伸展持久力トレーニングを実施する15名(T群)と,通院での運動療法のみ実施する12名(C群)との間で,1ヵ月毎に3回計測された体幹伸筋持久力とVAS,JOABPEQの経時変化を比較した.〔結果〕T群の体幹伸筋持久力は3ヵ月目に,JOABPEQは腰椎機能障害のみ2ヵ月目に有意に高値を,VASは2,3ヵ月目に有意に低値を示した.〔結語〕腰椎変性疾患患者に対する体幹伸筋持久力トレーニングは,疼痛およびADLの改善に効果的であることが示唆される.
  • 藤原 今日子, 工藤 慎太郎
    2016 年 31 巻 2 号 p. 281-284
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕正常歩行と前方ステップ課題間の類似性を運動学・運動力学的に検討する.〔対象〕理学療法学科学生36名.〔方法〕正常歩行と,下肢を前方に振り出し膝関節屈曲位(以下,屈曲群),もしくは伸展位(以下,伸展群)で踵から接地後に重心を前方へ移動するステップ課題の関節角度・モーメントを三次元動作解析システムを用いて算出.その類似性をグラフから定性的に判断した後,統計学的処理を行った.〔結果〕屈曲・伸展両群と立脚期の0~25%であるLoading Response(以下,LR),25~60%であるMid Stance(以下,MSt)を合わせた立脚期前半(以下,LR~MSt)の足関節角度,モーメントが類似していた.〔結語〕ステップ課題においてankle rockerとの類似性が示された.
  • 升 佑二郎, 倉澤 裟代, 小山 広泰, 川手 瑞樹, 山本 泰宏
    2016 年 31 巻 2 号 p. 285-288
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕股関節外転動作における中殿筋活動の利き足と非利き足の差に関わる要因を明らかにすること.〔対象〕健常な男性11名とした.〔方法〕利き足および非利き足の等尺性股関節外転トルクを測定し,その際の中殿筋上前側部の筋活動を同時に測定した.〔結果〕股関節外転0°のトルク値は,利き足の方が非利き足よりも有意に高い値を示した.また,中殿筋活動は,速筋線維の活動量の指標になる平均周波数においてのみ利き足の方が非利き足よりも有意に高い値を示した.〔結語〕股関節外転動作時の中殿筋活動は,非利き足の速筋線維の活動量が低いことが示され,障害の発生リスクを高める要因になりうると考えられた.
  • 佐野 徳雄, 丸山 仁司, 菅沼 一男, 齋藤 孝義, 五味 雅大, 金子 千香, 齋藤 由香里
    2016 年 31 巻 2 号 p. 289-292
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕通所型サービスを利用している在宅高齢者の要支援と要介護の認定に影響を及ぼす要因について分析することを目的とした.〔対象〕質問に対する回答および屋内歩行が見守り以上で可能な,通所型サービスを利用している在宅高齢者54名(男性16名,女性38名)とした.〔方法〕評価項目は,年齢,疾患,要介護度,TUG,CS-30,BI,老研式とした.統計学的解析は,従属変数を要介護認定状態とし,独立変数を年齢,主病名,TUG,CS-30,BI,老研式とした多重ロジスティック回帰分析を用いた.〔結果〕介護度に影響する変数として,年齢,CS-30,BIが選択された.〔結語〕要介護認定は,疾患の種類よりも,動作の可否とCS-30が重要であることが示唆された.
  • 岡 真一郎, 江頭 琢磨, 平田 大勝, 下田 武良, 鶴貝 亮太, 藤 裕美, 光武 翼, 森田 義満, 中原 公宏
    2016 年 31 巻 2 号 p. 293-296
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕急性期脳血管障害症例を対象にShort Form Berg Balance Scale(SFBBS)の信頼性,妥当性を検討した.〔対象〕急性期脳血管障害症例55名とした.〔方法〕SFBBSの内的整合性はCronbach a係数により,妥当性は,発症2週後および退院時の得点と,National Institute of Health Stroke Scale,Stroke Impairment Assessment Set,Functional Independence Measureおよび在院日数との間のSpearman順位相関分析により検討した.〔結果〕中等度から高い内的整合性および妥当性が示された.〔結語〕この評価尺度の信頼性,妥当性は軽症群において実用上十分なものである.
  • 平尾 利行, 竹井 仁, 佐久間 孝志, 妹尾 賢和, 近藤 貴揚
    2016 年 31 巻 2 号 p. 297-302
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕閉鎖筋の筋活動を賦活するのに適した運動負荷を検討すること.〔対象〕腰部および下肢に器質的疾患を持たない成人男性11名とした.〔方法〕高負荷の課題1(60°/sec)と無負荷の課題2(500°/sec)における等速性股関節外旋運動前後で,MRIのT2強調画像から内閉鎖筋,外閉鎖筋,大殿筋,中殿筋,縫工筋のMR信号強度率を抽出し比較した.〔結果〕抽出された課題1において内閉鎖筋,外閉鎖筋,中殿筋,縫工筋で,課題2において内閉鎖筋,外閉鎖筋,縫工筋で,運動前に比べ運動後にMR信号強度率が有意に上昇した.〔結語〕速筋線維を多く含む閉鎖筋に対しては,高負荷のみならず無負荷の運動も筋活動を得ることを可能にすると考える.
  • 山下 裕, 古後 晴基, 川口 直輝, 鳥山 海樹, 溝田 勝彦
    2016 年 31 巻 2 号 p. 303-307
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者の転倒リスク指標としての咬合力評価の有用性を検討した.〔対象〕デイケア利用の虚弱高齢者55名(平均年齢82.9±5.6歳)とした.〔方法〕転倒リスク評価としてFall Risk Index-21(FRI-21)を使用した.咬合力の評価はオクルーザルフォースメーターGM10を用いた.転倒関連因子として,残存歯数,下肢筋力,握力,片脚立位時間,Timed Up and Go test (TUG),Functional Reach Test (FRT)を評価した.ステップワイズ法による重回帰分析を用いて,FRI-21と独立して関連する項目を抽出した.〔結果〕FRI-21と独立して関連の認められた項目はTUGと咬合力であった.〔結語〕咬合力の評価は高齢者の転倒リスクの指標の一つとして有用である可能性が示された.
  • 川井 謙太朗, 舟崎 裕記, 林 大輝, 加藤 晴康, 沼澤 秀雄
    2016 年 31 巻 2 号 p. 309-313
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕野球投手において,投球時に肩関節に痛みのある群(有症状群)とない群(無症状群)で,上腕骨頭後捻角,ならびに,それを除いた2nd肢位での肩回旋可動域(補正角度)を比較した.〔対象〕男性の野球投手69名(有症状群38名・無症状群31名)とした.〔方法〕超音波画像診断装置を用いて上腕骨頭後捻角,ならびに補正角度を計測し,それぞれを2群間で比較した.〔結果〕上腕骨頭後捻角は2群間で有意差はなかった.有症状群は無症状群に比べて,投球側の補正外旋角度が有意に大きく,補正内旋角度は有意に小さかった.一方,非投球側の補正回旋角度に有意差はなかった.〔結語〕投球時痛に伴う回旋可動域の変化は,上腕骨頭後捻角より軟部組織性因子との関連性が示唆された.
  • 小島 一範, 山本 亜希江, 鎌井 大輔, 槌谷 祐二, 尾嶋 紗季, 仕田中 美穂, 渡邉 進
    2016 年 31 巻 2 号 p. 315-319
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕訪問リハビリテーション利用者における,足趾把持力のバランス能力に対する重要性を検討するためにこれらの間の関係を調べることとした.〔対象〕立位姿勢を30秒以上とれる訪問リハビリテーションのサービスを利用している者33名とした.〔方法〕足趾把持力と開眼での片脚立位時間を左右ともに3回測定しその中での最大値を採用した.足趾把持力と片脚立位時間との関係をSpearmanの順位相関係数により解析した.〔結果〕足趾把持力と片脚立位時間との相関係数はr=0.776と正の高い値を示した.〔結語〕今回明確化された足趾把持力と片脚立位時間との高い相関は,足趾把持力のバランス能力における重要性を示す.
  • 岡 真一郎, 平田 大勝, 光武 翼, 東 裕一, 岡本 敬司, 渡邉 恵子, 衛藤 真由美
    2016 年 31 巻 2 号 p. 321-324
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕末梢性および心因性めまい患者に対する前庭リハビリテーション(Vestibular Rehabilitation: VR)の効果を比較した.〔対象〕めまい患者25名(心因性:PS群9名,末梢性:PE群16名).めまい重症度,Berg Balance ScaleおよびDizziness Handicap Inventory日本語版(DHI-J)を用いて,めまい症状と障害の程度を評価し,介入前後の比較から効果量を求めた.〔結果〕VRの効果量は,PE群ではすべての評価で高い効果,PS群では自律神経評価,DHI-Fが中等度,DHI-Eが低い効果であった.〔結語〕VRは,PE群のめまい重症度と障害の改善,PS群ではめまい症状および機能障害の改善に有効な可能性がある.
  • 加茂 智彦, 江口 勝彦, 石井 秀明, 西田 裕介
    2016 年 31 巻 2 号 p. 325-328
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕慢性期脳卒中後遺症者における日常生活活動能力に与える影響の因子を検討した.〔対象〕慢性期脳卒中後遺症者91名とした.〔方法〕測定項目は,年齢,BMI(Body Mass Index),BI(Barthel Index),MMSE(Mini Mental State Examination),MNA-SF (Mini Nutritional Assessment-Short Form),SPPB(Short Physical Performance Battery),握力とした. BIを従属変数とし,年齢,MNA-SF,MMSE,SPPB,握力を独立変数とした重回帰分析を実施した.〔結果〕BIに最も強く影響している因子はSPPB(β=0.487)であった.次いで,MMSE(β=0.317),握力(β=0.310)が有意な影響を示した.〔結語〕慢性期脳卒中後遺症者の日常生活活動能力には身体機能,認知機能,筋力が影響を及ぼし,年齢,栄養状態は影響を及ぼさないことが明らかとなった.
  • 末廣 忠延, 水谷 雅年, 石田 弘, 小原 謙一, 藤田 大介, 大坂 裕, 高橋 尚, 渡邉 進
    2016 年 31 巻 2 号 p. 329-333
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕慢性腰痛者における腰部の臨床不安定性と股関節伸展時の筋活動開始時間との関係を明らかにすることとした.〔対象〕慢性腰痛者25名とした.〔方法〕股関節伸展時の筋活動開始時間を測定した.腰部の臨床不安定性の試験として,prone instability test(PIT)と腰椎屈曲時の異常な動きを評価した.腰部の臨床不安定性と股関節伸展時の筋活動開始時間との関係は,相関係数を用いて分析した.〔結果〕PITの陽性の結果が両側の多裂筋と対側の脊柱起立筋の活動遅延と相関した.〔結語〕慢性腰痛者において腰部の臨床不安定性の陽性の結果と股関節伸展時の背部筋群の活動遅延が相関することが明らかになった.
  • 久保田 智洋, 高田 祐, 中村 茂美, 白石 英樹, 岩井 浩一
    2016 年 31 巻 2 号 p. 335-341
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者において介護状態になるリスクが高い二次予防事業対象者に縦断的調査を行った.そして,要介護状態を引き起こす恐れのある原因の1つとされる転倒に対する要因を詳細に検討した.〔対象〕地域在住高齢者585名.〔方法〕郵送法にて行われた2年間に渡る転倒の有無とその要因の候補となる項目を調査することとした.二次予防事業対象者と判定された585名を対象に解析した.〔結果〕転倒を予測する因子は,栄養状態と充実感の低下,さらに金銭管理や疲労感の程度であることが明らかになった.〔結語〕二次予防事業対象者の転倒予防には,運動機能ばかりでなく,より高度な動作を遂行するための遂行機能や精神機能への関わりが必要であることが示唆される.
  • 吉塚 久記, 下條 聖子, 本多 裕一, 吉田 亮平, 浅見 豊子
    2016 年 31 巻 2 号 p. 343-348
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕専門学校理学療法学科および作業療法学科における学生の学習動機について,現役入学か否かによる共通点と相違点を明らかにし,学生指導の一助とすることとした.〔対象〕現役生66名と非現役生18名とした.〔方法〕学習動機の2要因モデルに基づく質問紙調査を3年間実施した.〔結果〕現役か否かによらず充実志向,訓練志向,実用志向の程度は高く,関係志向の程度は低かったが,非現役生ではより強くそれらの傾向が認められた.〔結語〕現役生と非現役生の学習動機にみられる特徴の共通性とその程度の違いから,内容関与的動機の維持だけでなく,内容分離的動機を柔軟に伸ばすこと,そして教員にはこれらの点を踏まえて学生を支援することが必要である.
症例研究
  • 榊原 僚子, 加藤 宗規, 髙橋 麻美, 飛田 美穂
    2016 年 31 巻 2 号 p. 349-354
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕抗好中球細胞質抗体関連血管炎による手指切断後,創傷解離となり,その後創傷部の上皮化が得られず,創傷治癒には長期化が予想された透析患者に対して,入院8ヵ月目から潰瘍の上皮化を目的に行った微小電流刺激による治療効果を診療録から後方視的に検証すること.〔対象〕25ヵ月の入院治療により潰瘍の上皮化が得られ退院した血液透析患者1名であった.〔方法〕退院後,診療録から後方視的に創部の状態等のデータを抽出し,微小電流刺激による治療前後の経過を比較した.微小電流刺激は,1日30分間を週6回の頻度で実施した.〔結果〕右Ⅰ~Ⅴ指の腐骨が脱落し,治療開始18ヵ月後には創傷部の潰瘍が上皮化した.〔結語]小型軽量の機器を用いた微小電流刺激による治療は血管炎による切断後に離開した創傷部の潰瘍に有効である可能性が考えられた.
  • 澳 昂佑, 木村 大輔, 松木 明好, 井上 純爾, 服部 暁穂, 中野 英樹, 川原 勲
    2016 年 31 巻 2 号 p. 355-360
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/29
    ジャーナル フリー
    〔目的〕立位姿勢制御時の感覚統合の異常が改善したことにより,歩行能力が改善した症例を経験したので報告する.〔対象〕対象は脳梗塞発症後1ヵ月経過した70歳代女性とした.本症例は,明らかな麻痺がないにもかかわらず,麻痺側立脚期が短縮し,転倒の危険性を有していた.〔方法〕立位時の各感覚貢献度を算出すると,本症例は感覚情報の重みづけに異常を有していることが明らかとなった.通常の理学療法に加え,セラピストはディジョックボード上で麻痺側片脚立位姿勢をとらせ,足底からの感覚入力を促すトレーニングを行った.介入期間は1ヵ月とした.〔結果〕立位時感覚貢献度指数,歩行左右対称性,10m歩行速度に改善が認められた.〔結語〕今回の再重みづけトレーニングが本症例の立位時の感覚統合に効果があった可能性が示唆された.
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