抄録
〔目的〕慢性期脳卒中後遺症者における日常生活活動能力に与える影響の因子を検討した.〔対象〕慢性期脳卒中後遺症者91名とした.〔方法〕測定項目は,年齢,BMI(Body Mass Index),BI(Barthel Index),MMSE(Mini Mental State Examination),MNA-SF (Mini Nutritional Assessment-Short Form),SPPB(Short Physical Performance Battery),握力とした. BIを従属変数とし,年齢,MNA-SF,MMSE,SPPB,握力を独立変数とした重回帰分析を実施した.〔結果〕BIに最も強く影響している因子はSPPB(β=0.487)であった.次いで,MMSE(β=0.317),握力(β=0.310)が有意な影響を示した.〔結語〕慢性期脳卒中後遺症者の日常生活活動能力には身体機能,認知機能,筋力が影響を及ぼし,年齢,栄養状態は影響を及ぼさないことが明らかとなった.