抄録
〔目的〕股関節疾患の主観的評価法に日本整形外科学会股関節疾患評価質問票(JHEQ)がある.JHEQ合計点に影響する身体機能因子についての報告は少ない.そこで,人工股関節全置換術(THA)後6ヵ月のJHEQに身体機能が及ぼす影響を検討した.〔対象〕初回人工股関節全置換術を施行した26例とした.〔方法〕術前,術後6ヵ月時のJHEQに対する筋力(膝伸展筋,股外転筋), ROM,歩行速度からなる身体機能の寄与を重回帰分析により解析した.〔結果〕術後6ヵ月目のJHEQ合計点に影響する因子は,術後6ヵ月膝伸展筋力,膝伸展筋力の変化率,歩行速度,股関節外転ROMであった.〔結語〕QOLを向上させるには,膝伸展筋力の筋力強化を行い,歩行速度を向上させる後療法が重要である.