2016 年 31 巻 5 号 p. 641-644
〔目的〕踵骨の内側,外側に楔状板を挿入した際の足部形態の変化を3次元的に明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は健常成人26名52肢とした.三次元足型計測装置(INFOOT)を使用して静止立位の足型の計測を行った.踵骨の内外側に5°,10°,15°の傾斜の楔状板を用い,楔状板上での足型の計測を行い,楔状板なしの足型との違いを検討した.〔結果〕10°以上の楔状板により踵骨は有意に角度変化した.また,内外果,中足部,前足部傾斜角度は踵骨と相反する角度変化を示した.〔結語〕踵部の変化で後足部と前足部で代償し合い,足底面を地面に接地させる可能性があることがわかった.