理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
パーキンソン病患者における移動能力の3年間における予後と関連要因の検討
久我 宜正小林 孝彰尾山 勝正井上 茂樹平上 二九三齋藤 圭介
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2016 年 31 巻 5 号 p. 645-649

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抄録

〔目的〕パーキンソン病(PD)患者における移動能力の3年間の予後とその関連要因を検討することとした.〔対象と方法〕2008年からの5年間に神経内科を受診したPD患者120名とした.後方視的に3年間のデータを記録した.集団を発症後5年未満,5年以上に群分けし,3年後の移動能力の維持の可否を従属変数とする二項ロジスティック回帰分析を行ない関連要因を検討した.〔結果〕振戦を除くPD症状と,移動能力は3年間での有意な低下を示し,移動能力予後に対して,発症後5年未満の群ではPD症状に加えて既往・合併症と認知症罹患の有無が,5年以上の群では年齢・発症後期間と認知症罹患の有無が有意な関連性を示した.〔結語〕PD患者の移動能力予後の実態と関連要因は,自立生活を目指した理学療法プログラム立案の手掛かりになり得る.

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© 2016 by the Society of Physical Therapy Science
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