2016 年 31 巻 5 号 p. 729-732
〔目的〕三次元複数物体追跡課題(3D-MOT)のトレーニング効果を検証した.〔対象と方法〕地域在住高齢者25名とした.トレーニング課題を3D-MOTとする介入群と対照群の間でのMini Mental State Examination,Trail Making Test part A(TMT-A),5 m歩行,Timed Up and Go Test(TUG),およびFunctional Reach Testの変化を比較した.〔結果〕介入群ではTMT-Aが介入後に有意に短くなった.介入群においてTMT-AとTUGの変化比率の間に有意な正の相関が認められた.〔結語〕3D-MOTは注意機能および動的バランス能力の向上が期待され,したがって地域在住高齢者の転倒予防に有効な課題である.