抄録
〔目的〕回復期脳卒中片麻痺患者におけるロボットスーツHAL®を用いた歩行練習の適応症例およびQOLと気分や感情に対する効果について検証すること.〔対象と方法〕脳卒中片麻痺患者24名を2群に無作為に割り付け,HAL®群はHAL®を使用した歩行練習,コントロール群は平地歩行練習を週3回合計12回実施し,開始時と終了時に各評価を実施した.〔結果〕介入後,HAL®群の方が有意に歩行自立度が向上した.一方で,12名中4名は終了時評価においても介助歩行であり,HAL®の適応とはなりにくい症例であった.〔結語〕HAL®を使用した歩行練習は,脳卒中片麻痺患者の歩行自立度を向上させる可能性が示唆された.しかし,重度片麻痺や複数の高次脳機能障害を呈する症例は,HAL®の適応とはなりにくい可能性があると思われた.