理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
症例研究
腰椎変性後弯症に対する理学療法介入効果
北村 拓也佐藤 成登志郷津 良太星 翔哉渡辺 慶
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2016 年 31 巻 5 号 p. 785-789

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抄録

〔目的〕腰椎変性後弯症と診断された1症例(70歳代女性)に対する3ヵ月間の介入が身体機能およびQOLに与える影響を検討した.〔対象と方法〕介入方法は,週1回の外来理学療法,冊子を用いた教育およびホームエクササイズの指導とし,3ヵ月間実施した.介入効果を検証するために,筋力や歩行能力,アライメント,筋厚,筋輝度,およびQOL評価尺度としてJOABPEQを評価した.〔結果〕筋力やJOABPEQでは改善を示さなかったが,6分間歩行距離では200 mから435 mとなり,体幹伸展保持時間が15秒から35秒となった.多裂筋のエコー所見では,疼痛側筋厚が1.89 cmから2.28 cmとなり,筋輝度が55.4 pixelから50.0 pixelとなった.〔結語〕本研究における3ヵ月間の介入では瞬発的な筋力やQOLの改善には至らなかったが,筋持久力や連続歩行距離などの向上が得られ,介入の有用性が示唆された.

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© 2016 by the Society of Physical Therapy Science
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