2017 年 32 巻 1 号 p. 51-55
〔目的〕等尺性膝関節屈曲運動における屈曲トルクと屈曲角度を変化させたときの拮抗筋である大腿四頭筋の筋活動量に及ぼす影響を明らかにすることである.〔対象と方法〕健常成人12名とした.課題運動は,等尺性膝関節屈曲運動とした.膝関節の屈曲角度は,30°と90°とした.筋電図は,大腿直筋,内側広筋,外側広筋から筋活動量を算出した.〔結果〕屈曲角度では,大腿直筋は屈曲90°に比べ30°で有意に低値を示した.一方,外側広筋では屈曲90°に比べ30°で有意に大きかった.〔結語〕開放的運動連鎖における膝関節屈曲運動では,膝関節屈曲90°で後十字靭帯が伸張ストレスを感知して,大腿四頭筋の筋活動量を制動していると推察される.