2017 年 32 巻 2 号 p. 227-230
〔目的〕健常者におけるコンピュータソフトウェアを用いた主観的視覚垂直(SVV)の測定の信頼性を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は健常若年者12名とした.検者は画面上に提示された視覚指標を水平位から垂直方向へ回転させ,対象者が主観的に垂直だと感じた時点で止め,鉛直位からのずれを計測した.データは8回の平均値を採用した.一週間後に同一検者が再測定を実施し,級内相関係数(ICC1,1)と最小可検変化量の95%信頼区間(MDC95)を算出した.〔結果〕ICC1,1は,視覚指標の回転速度が3°/秒では0.87,5°/秒では0.93であった.MDC95は同順に0.8°,0.7°であった.〔結語〕ソフトウェアを用いたSVVの測定は,良好な信頼性からみて,今後臨床応用が可能であることが示唆される.