2017 年 32 巻 3 号 p. 387-390
〔目的〕本研究は踵接地時に足関節背屈を意識させたランニングでの下肢筋活動および関節角度の変化を測定し,アキレス腱障がいのリスクを軽減するための一助とすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は大学陸上長距離選手7名とし,トレッドミル上で通常のランニングと足関節背屈を意識したランニングを行った.〔結果〕背屈を意識したランニングでは,踵接地時に床と足底のなす角度が増加し,立脚前期での足関節背屈角速度の最大値が減少した.筋活動は,踵接地前の前脛骨筋,立脚前期の大腿直筋で増加を認めた.〔結語〕背屈を意識したランニングでは,接地時の衝撃吸収に足関節底屈筋群以外の筋がより貢献したと予想され,アキレス腱への負担が小さくなると思われた.