2017 年 32 巻 3 号 p. 415-421
〔目的〕階段降段時の大腿,下腿回旋運動に対する足角の影響について検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は健常成人15名の右脚とした.20 cm台上からの降段運動を足部肢位5条件,正中位(以下,neutral),toe out 5°,10°,toe in 5°,10°で行った.足関節背屈開始から最大背屈角度までの降段運動中の下肢回旋角度を3軸加速度計で計測した.〔結果〕条件間で膝関節回旋運動に有意差を認めなかったが,toe outはtoe in 10°よりも有意に大腿外旋運動が小さくなり,またneutral,toe inよりも小さな膝関節内旋位を呈した.〔結語〕toe outの降段運動は大腿回旋運動を制限し膝関節に過負荷を与える要因となり,足部だけでなく大腿回旋運動も膝関節回旋機能に重要であることが示唆された.