理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
マウスガード装着が頸部筋力および頸部筋活動に与える影響
瀧上 陽登浦辺 幸夫前田 慶明藤井 絵里森山 信彰
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2017 年 32 巻 4 号 p. 467-471

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抄録

〔目的〕ラグビーなどのコンタクトスポーツは,マウスガード(Mouth Guard:以下,MG)の使用が認められている.MGを装着することで,頸部の最大等尺性運動中の咬筋および頸部筋の筋活動量の変化と,運動方向の違いによる筋力発揮の変化があるかを明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕本研究は健常男子ラグビー部員16名を対象とし,8方向への頸部の最大等尺性運動時の頸部筋力,咬筋,胸鎖乳突筋,板状筋の筋活動をMG装着の有無で比較した.〔結果〕MG装着により,頸部筋力および咬筋の筋活動量は全8方向で有意に増大した.また,胸鎖乳突筋の筋活動は主動作筋としての方向で有意に増大したが,板状筋はいずれの方向でも有意差は認められなかった.〔結語〕本研究から,MG装着が顎口腔領域を保護するだけでなく,頸部筋力の発揮にも有効であることが示唆された.

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© 2017 by the Society of Physical Therapy Science
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