理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
正常歩行の下肢衝撃吸収機構における足関節機能の検討
古谷 友希柊 幸伸
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2017 年 32 巻 6 号 p. 835-838

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抄録

〔目的〕加速度センサを使用し,衝撃吸収が行われる主な部位を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕対象者は男性11名,平均20.8±2.44歳の健常者を実験対象とした.踵骨部,腓骨部,大腿外側部の合計3台のセンサからデータを集積し,Friedman検定(Tukeyの方法)を用いて統計的有意差を検討した.〔結果〕踵骨部,腓骨頭部,大腿部での加速度(deg/sec/BW/WS)はそれぞれ4.2 ± 1.2,0.2 ± 0.03,0.1 ± 0.06だった.同様の部位のRMS(m/s2rms/WS2)はそれぞれ68.7 ± 20.9,5.4 ± 0.8,3.7 ± 1.6だった.踵骨部での加速度と腓骨部での加速度,踵骨部での加速度と大腿部での加速度の間において有意に差があった(p<0.01).腓骨部での加速度と大腿部での加速度の間に有意な差はなかった.踵骨部でのRMS値と腓骨頭部でのRMS値の間において有意に差があった(p<0.05),踵骨部でのRMS値と大腿部でのRMS値の間において有意に差があった(p<0.01).腓骨頭部でのRMS値と大腿部でのRMS値の間に有意な差はなかった.〔結語〕正常歩行中の衝撃は足関節で多く吸収されていることが判明した.

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© 2017 by the Society of Physical Therapy Science
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