2017 年 32 巻 6 号 p. 893-898
〔目的〕臨床における患者の評価に近い設定で,学生の臨床技能を評価する試験を臨床実習前試験として実施した.その採点の妥当性を高めることを目的に評価者間の差異について分析した.[対象と方法]対象は,本学理学療法学科3年生49名(平均年齢21.0 ± 1.7歳)とした.学生は2グループに分かれて,いずれも運動器と中枢疾患に関する試験を受けた.1名の学生につき学内・学外評価者1名ずつで評価し,評価者間の得点の差を分析した.分析結果について学内評価者へアンケートを実施した.〔結果〕評価者間で有意差を認めた項目は,運動器の問診,形態計測,中枢の深部腱反射であった.その要因として,評価者間の評価基準の不一致等の回答が得られた.〔結語〕採点の妥当性を高めるために,出題や採点の改良が必須である.