抄録
〔目的〕脳卒中片麻痺患者の麻痺側と非麻痺側回りのTUGにおける「方向転換前」,「方向転換中」,「方向転換後」の時間と下肢機能との関係について検討した.〔対象と方法〕脳卒中片麻痺患者14名とした.麻痺側と非麻痺側下肢筋力,Br.Stage,Composite Spasticity Scale,Fugl-Meyer Assessment感覚項目,TUGを測定した.〔結果〕麻痺側と非麻痺側回りのTUGは,麻痺側股関節屈曲,膝関節伸展,足関節背屈筋力,FMA感覚項目点数と負の相関があった.非麻痺側回りの「方向転換中」の時間は,麻痺側股関節屈曲筋力とFMA感覚項目点数に負の相関があった.〔結語〕本研究の結果,麻痺側下肢筋力と感覚障害はTUGの測定時間に関連する可能性があることが示された.