理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
臨床判断を基盤とした転倒危険性の感じ方は理学療法士経験年数で異なるか?
—Timed“Up & Go”Test遂行時の高齢者映像観察による検証—
松田 徹吉田 晋井上 美幸村永 信吾大嶋 幸一郎川間 健之介
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キーワード: 臨床判断, 転倒リスク, TUG
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2018 年 33 巻 1 号 p. 69-75

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抄録

〔目的〕臨床判断を基盤とした転倒危険性の感じ方が,臨床経験により異なるか,Timed “Up& Go” Test (TUG)遂行時の高齢者映像から検討すること.〔対象と方法〕「学生」群32名,臨床経験「1-2年目」群46名,「3-4年目」群34名,「5-9年目」群43名,「10年目以上」群15名.映像を見て,Visual Analogue Scale(VAS)で評価した.本研究上定義した転倒リスク分類との一致率とVAS測定値を臨床経験で比較した.〔結果〕転倒高リスク映像にて,「学生」群よりも「1-2年目」群,「10年目以上」群の一致率が有意に高く,「10年目以上」群で最も高かった.〔結語〕10年以上臨床経験を積むことで,転倒リスクの高い高齢者映像をより正確かつ明確に評価できる可能性が示唆された.

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© 2018 by the Society of Physical Therapy Science
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