2018 年 33 巻 2 号 p. 235-240
〔目的〕回復期リハ病棟の運動器疾患患者におけるFIM運動スコア利得の臨床的意義のある最小差(MCID)を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は回復期リハ病棟患者102名であった.入院時FIM運動スコアから30日後FIM運動スコアを差分し利得を求めた.FIMの外的指標は,患者が変化度合いを報告する指標であるGlobal rating of change scale (GRC)で調査した.GRC –1と1を日常生活動作の改善のSmall change群とし,平均値をMCIDとした.〔結果〕Small change群のFIM運動スコア利得の平均値は14.6点であった.〔結語〕今回の対象では,回復期リハ病棟の運動器疾患患者が,日常生活動作改善を自覚するFIM運動スコア利得のMCIDは14.6点である.