抄録
〔目的〕健常高齢者とgradeIIの変形性膝関節症患者(GII群)を対象として,3次元動作解析装置による歩行分析を施行し,gradeII患者の立脚期の関節可動域の変化の特徴を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕50名の健常高齢者と44名のGII群の,膝関節外反モーメントの比較,骨盤,股関節,膝関節,足関節の矢状面と前額面の関節運動の比較を行った.〔結果〕GII群では立脚中期に膝関節外反モーメントが有意に大きかった.立脚期中の膝関節屈曲可動域はGII群で有意に大きい部分を多く認め,股関節や足関節の可動域にも有意差を認めた.前額面では,荷重応答期の足関節内反角度に有意差を認めた.〔結語〕重症度の低い変形性膝関節症でも健常高齢者と関節角度の変化が異なっていることが明らかとなった.