2018 年 33 巻 4 号 p. 623-629
〔目的〕要支援高齢者の歩数を縦断的に測定し,経時的な変化を介護度の違いを含めて明らかにすること.〔対象と方法〕3軸式加速度計付き歩数計を使用し,要支援1(10名)と2(8名)の1年間の歩数を測定した.〔結果〕両群ともに1年間において歩数は有意に減少し,特に夏期に減少する傾向にあった.介護度別では,要支援2で歩数が有意に少なく,要支援1で歩数の変化率が著しかった.日常生活動作は支援1,2とも維持されていたが歩数は減少し,減少率は介護度により異なった.〔結語〕要支援高齢者に対する理学療法を施行するにあたり,歩数を一つの評価項目として捉えることは重要であり,介護度の違いによる特徴を反映する可能性があることが示唆された.