2018 年 33 巻 4 号 p. 631-636
〔目的〕子どもの運動不足により,運動器疾患を罹患しやすい子どもが増加している.千葉県内スポーツフェアで現状を把握することを目的とした.〔対象と方法〕子ども336名に運動項目7項目の測定とアンケートを実施した.〔結果〕運動項目で不可の割合が多かったのは腹筋運動,からだ挙げ,四つ這いバランス,体前屈であった.運動習慣は69.6%が毎日~ほぼ毎日運動していた.現在または過去の運動器の疼痛は16.4%,37.2%,日常的によく転倒する子が26.1%であった.過去の運動器の疼痛はしゃがみ込み,腹筋運動,転倒との間に,転倒のしやすさはからだ挙げ,つま先立ち,片脚立ちの間に有意差があった.〔結語〕基本的な運動機能が低下している子どもが多く,その運動項目と運動器の疼痛や転倒のしやすさが関連していることが考えられる.