2018 年 33 巻 4 号 p. 653-657
〔目的〕重症心身障害児の背臥位,抱きかかえ座位,座位保持装置上座位それぞれの姿勢が快適性を得ているか否かについて検討することである.〔対象と方法〕対象は粗大運動能力分類システム レベル Vの児童7名.背臥位,抱きかかえ座位,座位保持装置上座位の3条件にて,ワイヤレス心電計を用いて心拍データを記録した.周波数解析より得た低周波成分(LF),高周波成分(HF)とし,LF/HFを交感神経,HFを副交感神経の指標として3条件で比較した.〔結果〕抱きかかえ座位が他の姿勢と比べてLF/HF,HFともに有意な変化を示した.〔結語〕抱きかかえ座位は心地よい状態となり副交感神経が増加,交感神経が低下することで快適性を得ていると考えられた.