抄録
〔目的〕腹腔鏡手術を受けた消化器がん患者の手術部位の違いで倦怠感,体格,運動耐容能に影響があるかを調査した.〔対象と方法〕対象は胃がん患者12例,大腸がん患者30例とした.Body Mass Index(BMI),Cancer Fatigue Scale(CFS),6分間歩行距離(6-minute walk distance:6MWD)を手術前・手術後・退院後に評価し,胃がん患者と大腸がん患者で比較した.〔結果〕BMI,CFS,6MWDで有意な交互作用を認め,胃がん患者の方がどの時期においてもBMIは低値,CFSは高値であった.加えて退院後6MWDは手術前より低値だった.〔結語〕大腸がん患者より胃がん患者の方が,BMIや運動耐容能は低下しており,倦怠感が増強しやすい可能性が示唆された.