抄録
合成の石英微結晶及び天然のメノウ試料のリートベルト解析により、石英の格子欠陥の量や方向、格子定数などと、粒径や生成環境等との関連を調べた。また、ラマン分光法によりX線では捉えることの出来ない短周期の構造も含めたモガナイト量を測定し、石英の格子定数との相関を調べた。その結果、石英の異方的格子歪の方向は粒径に関係なく常に{101}面に垂直な方向であることが明らかになった。また、結晶度の良い単結晶と比較するといずれの試料も格子定数が大きいが、合成試料と天然の試料では軸率c/aの比が異なる傾向が見られる。合成試料ではより低温で合成するほど、また、より合成時間が短いほど格子定数が大きくなる傾向があり、軸率はほぼ一定である。天然試料では軸率が小さく、モガナイト含有量の多い試料においてその傾向が顕著である。