2018 年 33 巻 6 号 p. 887-890
〔目的〕バスケットボール経験の有無による車椅子バスケットボールのチェストパスの肘・手関節運動の違いを明らかにし,動作指導の一助とすること.〔対象と方法〕対象は健常女性で,バスケットボール経験者6名,未経験者6名とした.車椅子バスケットボール用車椅子上でのチェストパス動作を三次元動作解析装置で解析した.〔結果〕経験群は未経験群と比較して, 1)ボール初速度と正確性の値が高かった.2)ボールリリース時の肘関節屈曲角度および手関節背屈角度が小さかった.3)肘関節伸展最大角速度および手関節掌屈最大角速度の出現時期が早かった. 〔結語〕車椅子バスケットボールのチェストパスのパフォーマンスレベルの高いバスケットボール経験者の肘・手関節運動は, 車椅子バスケットボールプレーヤーの動作指導の一助となる.