2019 年 34 巻 3 号 p. 287-292
〔目的〕神経症傾向の学生が訴える身体的,精神的な症状について調査した.〔対象と方法〕平成27年2月に4年制大学の理学療法学科に在籍する1年生88名.集合調査法にて,コーネル・メディカル・インデックスを実施した.〔結果〕正常群と神経症傾向群の群間比較の結果,既往歴,習慣以外の下位尺度で差を認め,神経症傾向群が有意に高値を示した.〔結語〕神経症傾向の学生は,精神的症状では少しのことで腹を立て気分を害する一方で,気分が落ち込みやすいなど感情の起伏が激しい特徴があり,身体的症状では視覚や息苦しさ,頭痛,疲労など様々な症状を訴えることが明らかとなった.このような訴えがある学生は神経症傾向である可能性があり,配慮が必要であると考えた.