2019 年 34 巻 3 号 p. 359-365
〔目的〕立位スタンス幅と歩行開始プロセスの関係を,重心,床反力,キネマティクスおよび関節トルクの側面から明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕健常成人男性6名とした.3つのスタンス幅条件の立位(閉足位,開脚位15 cm,開脚位30 cm)から,普通の速度で歩き始めた.3次元動作解析装置と床反力計を用いて,重心,足圧中心,股関節角度・トルクを求めた.〔結果〕歩行開始時においてスタンス幅が大きいほど,1歩目の歩隔および側方への足圧中心と重心の移動量は大きく,支持脚股関節内転角度と外転トルクは小さかった.〔結語〕スタンス幅は歩行開始時の支持脚と1歩目振出脚のプロセスに影響を与えることが明らかとなった.