2020 年 35 巻 1 号 p. 113-119
〔目的〕回復期リハビリテーション病棟(回復期リハ病棟)入院患者の入院初期の評価や診療情報から退院時の階段昇降自立獲得の可否を検討すること.〔対象と方法〕大腿骨近位部骨折後患者51名,中枢神経疾患患者73名を対象とし,分析には各評価項目を独立変数とし退院時の階段昇降の可否を従属変数としたロジスティック回帰分析を用い,その後Receiver Operating Characteristic(ROC)曲線を求め曲線下面積によりカットオフ値を検討した.〔結果〕階段昇降自立に影響を与える因子は,大腿骨骨折患者ではFunctional Independence Measure(FIM)トイレ動作,中枢患者ではFIM移乗ベッドが選択され,ROC曲線から得られたカットオフ値はともに4.50以上となった.〔結語〕本研究で得られた項目を入院時に評価することで簡易に退院時の階段昇降自立の予後予測ができる可能性が示唆された.