2020 年 35 巻 2 号 p. 187-191
〔目的〕胸郭側方偏位および胸郭形状の左右非対称性と歩行立脚期における下腿側方傾斜角度の左右非対称性との関係について検討した.〔対象と方法〕健常成人男性18名を対象とした.安静立位時の胸郭側方偏位および胸郭形状と歩行立脚期の下腿外傾角度変化量を計測した.胸郭側方偏位量より全対象18名,左偏位群15名,右偏位群3名に群分けした.〔結果〕下腿外傾角度変化量は,全対象では立脚期前半相,左偏位群では前半相および後半相で,左側と比較して右側が有意に大きかった.胸郭側方偏位量および下位胸郭形状左右比と後半相の下腿外傾角度変化量左右比の間には有意な負および正の相関が認められた.〔結語〕胸郭左側方偏位および下位胸郭形状の左右非対称性が増大するほど,後半相の下腿外傾運動は右側で大きくなることが示唆された.