2020 年 35 巻 6 号 p. 893-898
〔目的〕健常者において起き上がり動作中の起き上がり速度を変化させた際の体幹および上肢の関節角度を比較した.〔対象と方法〕健常者の至適な速度である「普通」(n=6)と,普通の平均遂行時間より2SD以上の「遅い」(n=5)の起き上がり動作をビデオカメラで撮影し,体幹および上肢関節の角度を算出した.統計には対応のないt検定を用いた.〔結果〕「遅い」起き上がり動作は,「普通」と比較して,体幹運動では体幹回旋角度が有意に大きく(p<0.05),上肢関節運動では支持側の肩関節内旋角度が有意に大きかった(p<0.05).〔結語〕健常者が「遅い」起き上がり動作を遂行する場合は,支持側の肩関節内旋角度を大きくすることで,起き上がり方向への身体全体の回転を大きくしている可能性が示唆された.