2021 年 36 巻 1 号 p. 35-40
〔目的〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大予防対策に伴う外出自粛時期前後での運動教室に参加していた地域在住高齢者における身体活動量の変化を調べた.〔対象と方法〕対象は地域在住高齢者15名,2019年9月(緊急事態宣言前)と2020年4月(緊急事態宣言中)における身体活動量と生活空間(LSA)の変化を比較した.身体活動量は3軸加速度計を用いて計測した.〔結果〕緊急事態宣言前に比べて緊急事態宣言中は2割の者で町外への外出(生活空間レベル5)をしておらず,LSAスコアが低下傾向であったが,有意な変化ではなかった.身体活動量も有意な変化はなかった.〔結語〕2020年4月中旬時点において運動教室に参加していた高齢者は,生活範囲の顕著な変化および身体活動量の低下は認められなかった.