2021 年 36 巻 2 号 p. 239-246
〔目的〕急性期入院脳卒中者に対する下肢筋厚,筋輝度測定の信頼性と最小可検変化量(minimal detectable change:MDC)を明らかにすることである.〔対象と方法〕急性期入院脳卒中者10名を対象とした.超音波診断装置により両下肢筋の筋厚と筋輝度を測定した.測定値の級内相関係数と標準誤差,95%一致限界,MDCの95%信頼区間(MDC95)を求めた.〔結果〕筋厚・筋輝度測定ともに級内相関係数は0.70以上で高い信頼性を示した.MDC95は筋厚で0.13から0.32 cm,筋輝度で6.21から13.49 a.u.であった.〔結語〕脳卒中者に対する超音波診断装置による骨格筋の評価は,高い信頼性を有し,MDCを明らかにすることでリハビリテーション介入の効果判定に寄与する可能性が示唆された.