2021 年 36 巻 2 号 p. 269-274
〔目的〕頸椎症術後の慢性疼痛を呈した症例に対して,頸部に関わる複数の体性感覚間の整合性の認識を中心とした介入を行ったところ,痛みの認知・情動的側面の改善と痛みの悪循環からの脱却により,慢性疼痛の持続的な改善が認められた一症例を報告する.〔対象と方法〕対象は,頸椎症に対する頸椎固定術後約5ヵ月が経過した80代女性.頸部の運動制御に関する複数の体性感覚(頸部の深部感覚,後頭部の触圧覚,頭部の重量覚)の整合性の認識を促したところ,防御性収縮や恐怖感の軽減を認めたため,それらを伴わせた頸部の自動介助運動を行った.〔結果〕頸部の慢性疼痛の改善と日常生活動作能力,痛みや自動運動に対する恐怖感の軽減を認めた.〔結語〕頸部の術後の慢性疼痛に対して本治療介入が有効となることが示唆された.