2021 年 36 巻 3 号 p. 325-329
〔目的〕本研究の目的は,デジタル傾斜計を用いた胸椎後弯角の評価法に関する検者内・検者間信頼性について調査することとした.〔対象と方法〕検者2名が傾斜計を用い健常男性10名の胸椎後弯角をそれぞれ2回ずつ測定した.測定結果をもとに,級内相関係数および最小可検変化量を求めた.〔結果〕ICC(1,1)は0.91~0.93,ICC(1,2)は0.95~0.96,ICC(2,1)は0.75~0.80,ICC(2,2)は0.91となり,検査者間信頼性における最小可検変化量 は1回のみの測定より2回測定した平均値の方が低値を示した.〔結語〕デジタル傾斜計による胸椎後弯角の測定は,2回以上の測定により臨床で活用できる可能性が示唆された.