理学療法科学
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症例研究
下肢痙縮に対しボツリヌス療法と機能的電気刺激装置を併用した理学療法介入により歩行持久性に改善を認めた慢性期脳卒中患者の一症例
五十嵐 達也林 翔太
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 36 巻 4 号 p. 647-652

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抄録

〔目的〕慢性期脳卒中患者の一症例に対するボツリヌス療法とfunctional electrical stimulation(FES)を併用した中長期的な介入経過を報告することであった.〔対象と方法〕対象は既往に重度の右麻痺と,modified Ashworth Scaleで3の下肢痙縮を認めた39歳女性であった.24ヵ月の経過中に,複数回のボツリヌス療法とFESを併用した介入を実施した.歩行持久性の指標に6-minute walk test(6MWT)を評価した.〔結果〕平均介入時間は10.3時間/月であった.介入前後の6MWTは162 m,275 mであった.〔結語〕ボツリヌス療法とFESを併用した中長期的な介入は,慢性期脳卒中患者の歩行持久性の向上に寄与する可能性が示唆された.

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© 2021 by the Society of Physical Therapy Science

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