2022 年 37 巻 1 号 p. 65-70
〔目的〕非接触型の前十字靭帯(ACL)損傷者における股関節の形態が,股関節周囲筋および膝外反角に及ぼす影響を検討した.〔対象と方法〕ACL損傷者20名と対照群20名を対象とした.両股関節正面レントゲン像にて,股関節骨形態と骨盤傾斜角を測定した.股関節周囲筋は主動作筋力/拮抗筋力で評価した.膝関節外反角の測定は,片脚スクワット時の膝関節屈曲60°の肢位で計測した.〔結果〕股関節周囲筋と膝外反角は,群間に差がなかった.ACL損傷群はAcetabular-Head Indexが有意に小さく,骨盤後方傾斜角は有意に大きかった.そのため股関節不安定性があると考えられた.〔結論〕骨盤後方傾斜角の増加に従い股関節外旋/内旋筋力の減少を認め,この主動作筋/拮抗筋比率の不良がACL損傷の受傷肢位を助長すると考えられた.