2022 年 37 巻 6 号 p. 571-578
〔目的〕児童に対する保護者およびスタッフの目標や課題を明らかにし,理学療法の課題を提示することである.〔対象と方法〕対象は保護者10名とスタッフ5名とし,10名の各児童の目標・課題を質問紙による自由記述式にて調査した.分析方法はオープン・コーディング法とし,短期・長期的な目標や課題を整理したうえで保護者とスタッフのものを比較した.〔結果〕短期的な目標・課題では,保護者は家庭内の生活のことを,スタッフは学校内の生活のことを気にする意見が多く,認識の相違が認められ,長期的な目標・課題では,保護者もスタッフも就労に関するものが多く,将来の方向性は類似していた.〔結語〕今後の理学療法の課題は,保護者およびスタッフに対して定期的に理学療法評価の結果を伝え,協働してリハビリテーションを進めていくことが重要である.