2022 年 37 巻 6 号 p. 585-592
〔目的〕本邦で使用可能な義肢・装具ユーザの満足度評価尺度の作成を目的に,欧米で使用されているOrthotics Prosthetics Users Survey-Client Satisfaction with Device(OPUS-CSD)を翻訳して日本語版のOPUS-CSD-Jを作成し,その信頼性と妥当性を確認した.〔対象と方法〕義肢・装具ユーザ54名を対象とし,作成したOPUS-CSD-JのスコアのCronbach’s α係数から内的整合性の観点での信頼性を評価し,汎用的な満足度評価尺度であるSystem Usability Scaleのスコアとの相関係数を算出することで,併存的妥当性を評価した.〔結果〕義肢ユーザにおいて一定の信頼性と妥当性がある一方で,装具ユーザでは信頼性と妥当性が十分とは言えない結果となった.〔結語〕対象とする疾患や義肢・装具の種類や目的を適切に絞り,ユーザの意見を反映させ,本邦に適合させた満足度評価尺度の作成が必要であると考える.