2023 年 38 巻 2 号 p. 90-95
〔目的〕回復期リハビリテーション病棟における大腿骨転子部骨折患者の実績指数に影響を与える要因を明らかにすること.〔対象と方法〕大腿骨転子部骨折患者117例を対象に運動FIM利得および回復期在棟日数と回復期リハビリテーション病棟入棟時に取得可能な9変数との関連性をスピアマンの順位相関係数とステップワイズ法による重回帰分析を用いて検討した.〔結果〕運動FIM利得については入棟時運動FIM,入棟時認知FIM,受傷前歩行能力が影響し,回復期在棟日数については各変数との間に有意な相関は認められなかった.〔結語〕前記の3変数が高いほど浴槽移乗や階段移動の項目を中心に運動FIM利得が高くなり,実績指数に影響を与えることが示唆された.