2023 年 38 巻 3 号 p. 181-187
〔目的〕周術期の大腿骨近位部骨折患者における,破局的思考の経過と歩行能力への影響を検討すること.〔対象と方法〕対象は大腿骨近位部骨折患者29名,術前から退院までの疼痛とPain Catastrophizing Scale(PCS)の経時的変化と相関,二元配置分散分析にて術後1週での歩行および受傷前歩行の獲得との関連性を検討した.〔結果〕疼痛やPCSは経時的に低下し,術後の動作時疼痛などと強い相関を認めた.術後1週での歩行獲得可否では動作時疼痛とPCS拡大視に,受傷前歩行獲得の可否では安静時疼痛とPCS拡大視に交互作用を認めた.〔結語〕早期歩行能力へは疼痛強度が影響し,破局的思考は強い影響を与えなかった.周術期では,早期歩行獲得へ向け疼痛強度への介入の必要性が示された.