2024 年 39 巻 2 号 p. 79-85
〔目的〕遠隔からの確率共鳴(SR)刺激が足部の体性感覚に与える影響を検討した.〔対象と方法〕26名の健常若年者に対し,SR刺激部位は足根管,前後,全周,SR刺激強度は0.6T,0.8Tを適用し,触圧覚,二点識別覚,振動覚,関節位置覚の感覚閾値を母趾腹側と踵で測定した.〔結果〕母趾の触圧覚では足根管における0.6Tの刺激強度,振動覚ではすべての部位における0.8Tの刺激強度で有意な感度の向上が得られた.また関節覚については,足根管での0.6Tの刺激強度にて有意な感度の向上が確認できた.一方,二点識別覚にはSR刺激の影響を認めなかった.〔結語〕遠隔からのSR刺激の付与により二点識別覚以外の体性感覚の感度を向上させ得ることが可能であったが,感覚モダリティにより刺激条件が異なることが明らかとなった.