2025 年 40 巻 5 号 p. 213-218
〔目的〕本研究は,高齢心不全患者に多いサルコペニアに着目し,入院中で症状が安定した高齢心不全患者における立位バランス機能とサルコペニアの関連を検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は心不全で入院した高齢患者45名.年齢,Body Mass Index,歩行能力,基礎疾患,服薬状況,左室駆出率を収集し,立位バランス機能をクロステストで評価した.サルコペニアは骨格筋指数,握力,5回椅子立ち上がり時間で評価した.〔結果〕立位バランス機能はサルコペニアにより低下し,サルコペニアの重症度は有意に関連因子であった.〔結語〕高齢心不全患者の立位バランス機能は,サルコペニアの重症度と関連することが明らかになった.