理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
Parkinson病患者における急速体幹伸展運動時の反応時間についての研究
増本 正太郎
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キーワード: Parkinson病, 体幹, 反応時間
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1989 年 4 巻 4 号 p. 193-199

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抄録

Parkinson病患者と正常対照を対象に体幹前屈立位姿勢から閃光を合図に急速体幹伸展運動を行わせる実験を行った。その結果、1)Parnkinson病患者群は正常対照群に比べ、伸展運動が開始されるまでの反応時間はYahr重症度IV度群のみ有意に延長した。
2)合図があってから腰部傍脊柱筋積分筋電位が立ち上がるまでの時間には2群間の差はなかったが、動作が開始され完了するまでの時間や筋電位が立ち上がってから運動が開始されるまで、また積分筋電位がPeakに達するまでの時間は有意な延長を示し、重症度や歩行時間が増すほどその傾向は強かった。以上のことから、Parkinson病患者は体幹のballistic movementに障害があり、それまたは突進現象や足背屈反応の低下とも関係していることがわかった。

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