理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
実験的肺拘束時・肺閉塞時の運動に対する呼吸応答
江口 勝彦原田 芳明
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1989 年 4 巻 4 号 p. 201-208

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抄録

呼吸器障害者の運動に対する呼吸応答を調べるため,健常成人を対象に障害因子を加えない場合,胸郭・腹部運動を制限した場合,上気道閉塞を模しガスの出入口を狭くした場合について運動負荷試験を行なった。その結果は,1)運動負荷にともない心拍数は全群ほぼ同様に増加した。2)運動時の一回換気量は全群とも増加したが,無因子群に比し拘束群では低値,閉塞群では増加した。3)運動時の呼吸数は全群とも増加したが無因子群に比し拘束群では高値を示し,閉塞群では低値を示した。4)分時換気量は無因子群に比し拘束群では若干の高値、閉塞群では低値を認めた。5)仮説に反し、METSは無因子群に比し障害群では全体的、相対的に低値を示した。

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