抄録
この研究は、若年健常成人の肩関節等運動性筋力を左右差、角速度との関係、拮抗筋の筋力の割合、体重との相関から分析することを目的として行われた。対象は、20才から35才の健常成人33名で、肩関節内旋・外旋・伸展・屈曲・内転・外転をそれぞれ角速度60度毎秒、180度毎秒で測定された。その結果、男性の速い速度ですべての運動に左右差が認められた。女性の外転を除くすべての運動で左右差が認められた。外旋/内旋、屈曲/伸展比は約70%であった。内転/外転比はそれよりやや低く約60%であった。この拮抗筋の筋力差はスピードの増加にともない著しくなった。男性では体重との相関は認められなかった。これらの結果は、臨床上の有用な情報になるものと考えられた。