抄録
片麻痺患者6例に対して約3カ月間の有酸素トレーニングを行い、その効果を呼気ガス、心拍数、10m歩行スピードよリ検討した。酸素摂取量より算定した作業時のエネルギー効率が改善したのは6例中2例であったが、VATは6例中4例に改善を認めた。10mスピードは測定し得た5例全員に何らかの改善が見られた。一方、6例中4例に同一労作時における心拍数の増加を認めた。以上の結果より、片麻痺においても有酸素トレーニングが有用な効果を提供し得ると考えるが、同時に心循環系の反応に留意する必要があることが示唆された。